感想
久しぶりに早川書房のSFを手に取りました。仕事で頭を使い続けた日の夜に、こういう不思議な世界観に浸るのは本当にいいですね。 ゲシールが球状星団M-13へ向かう、というその時点でもう引き込まれてしまいます。宇宙を舞台にした物語なのに、どこか身近な人間関係の温かさが感じられるんです。未知者との遭遇という設定も素敵で、「一体何が起こるのだろう」とページをめくる手が止まりませんでした。 何より良かったのは、物語の構成です。わかりやすいながらも深みがあって、管理職として人間関係をいろいろ見てきた目線からも、登場人物たちの心情描写が本当に丁寧だと感じました。短編ながら余韻がしっかり残る、そういう質の高さが光っています。 文庫だからこそ手軽に楽しめるのも魅力。移動中にさっと読み始めても、その世界にするすると引き込まれます。週末にこっそり続きが気になって、ついもう一度読み返してしまいました。疲れた時こそ、こういう冒険の物語は心を整えてくれるんだなって実感します。