みっちゃんの本棚
日本経済はなぜ沈下したのか

日本経済はなぜ沈下したのか

伊藤修 朝日新聞出版 2026年8月12日

感想

会社でも日々目にする経済ニュースの背景にある構造的問題を、ここまで体系的に解説した本は珍しい。バブル崩壊後の迷走が単なる不運ではなく、金融政策から労働慣行、社会保障制度に至るまで、相互に絡み合った問題の結果だということが腑に落ちた。 著者の論理展開は明快で、アベノミクスや新自由主義といった具体的な施策がなぜ効果を発揮できなかったのか、その理由が丁寧に示されている。単なる批判に終わらず、分野別の具体的な再建論に踏み込んでいる点も評価できる。新書というコンパクトな形式の中で、ここまで実質的な内容を詰め込むのは相当な工夫が必要だったはずだ。 強いて挙げるなら、統計データの引用がやや古い部分があり、更新版があれば確認したいという思いは残る。ただ、分析の根本的な視点は今なお妥当性が高い。経済を他人事と思わず関心を持つ会社員にとって、必読の一冊だと考える。

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