みっちゃんの本棚
ソシュールの言語論

ソシュールの言語論

E・F・K・ケルナー / 山中桂一 大修館書店 1982年6月1日

感想

言語学の基礎を学ぶ必要があって手に取った一冊です。ソシュールの言語論は確かに重要な思想的基盤であり、記号論や構造主義へと続く道を示す存在。その点では学術的な価値は疑いようもありません。 ただ正直なところ、期待していたほどの発見や深い洞察を得られたとは言い難い。むしろ講義ノートをまとめた書物という性質上、やや断片的で、論の流れが時に唐突に感じられました。もちろん翻訳の問題もあるでしょうし、原著そのものの構造的な制約かもしれません。 言語の恣意性、シニフィアンとシニフィエの区別といった概念は興味深いのですが、現代の言語学や記号論と比較すると、やや静的で限定的な枠組みに留まっているように見えます。歴史的な重要性は認めつつも、今この時代に改めて読む必然性があるかというと、疑問が残ります。 入門書として、あるいは学問的な系統を理解するための参照として価値はあります。ただ、さらに深く追究したい読者には、より現代的で実践的な著作を優先することをお勧めします。

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