和也の本棚
感想

本屋大賞受賞作ということで期待して読んでみたんですが、正直なところやや肩透かしを食った感じです。 家事代行サービスを通じた人間関係の再生という題材は悪くないし、料理で人を癒すというテーマも柔らかくて良いのですが、物語の進め方がどうにも予定調和的というか、感動のツボが仕込まれているのが丸見えなんですよ。管理職という立場で部下との人間関係に気を配る日常を送っていると、こういう「わざとらしさ」がどうしても気になってしまう。 また、キャラクター設定にしてもストーリーにしても、説明的な部分が多くて、読み手に考える余地をあまり与えてくれない。もっと登場人物の複雑さや曖昧さを引き出してほしかった。家事代行という日常的な営みの中で人生が変わっていくプロセスは興味深いのに、それが単純化されすぎている気がします。 悪い本ではありませんが、大賞作としてはもう一段階の深さを期待していました。気軽に読むには向いていますが、私のような読み手には物足りません。

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