しんの本棚
感想

全12巻の完結を迎えるこの巻は、長く続いてきたシリーズの到達点という重要な位置付けながら、全体的には可もなく不可もないという印象を受けました。 1987年の初出版から数十年を経てなお読み継がれている作品だけあって、キャラクターたちの絆や葛藤の描き方には一定の説得力があります。ただ、最終巻に求められるであろう緊張感や意外性という点では、やや予定調和的に進んでいくように感じられました。連載当時の読者には衝撃的だったであろう展開も、現在の視点からはその重みが若干減弱しているのかもしれません。 とはいえ、シリーズを通じて構築されたストーリーの一つの区切りとしては、きちんと機能しているといえます。新社会人として時間が限られた中で読む身としては、これまでの積み重ねがあってこそ味わえる満足感はありますし、無駄な蛇足もなく収束させた作者の手腕は評価できます。古典的なSF冒険活劇としては、及第点といったところでしょうか。

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