ひなたの本棚
殺人鬼にまつわる備忘録

殺人鬼にまつわる備忘録

小林泰三 幻冬舎 2018年10月10日

感想

通勤電車での移動時間を有効活用したくて、手軽に読めそうな文庫本を探していたときに出合った作品です。 タイトルだけ見ると、ずっと重くてダークな内容かと思っていたのですが、想像以上に読み心地が良くて驚きました。エッセイと小説の境界線を行き来するような独特の筆致で、殺人鬼という一見すると難しいテーマを、驚くほど身近で親しみやすく描き出しているんです。 著者のアプローチが本当に興味深くて、単なる犯罪ノンフィクションではなく、人間心理への深い考察が随所に感じられます。仕事のストレスで頭が疲れているときでも、するっと読み進められるのが◎。各編が程よい長さで区切られているから、忙しい日々でも無理なく続けられました。 若干説教臭くなりかけるシーンもありますが、総じて大人が読むべき一冊だと思います。気軽だけど侮れない、そんなバランス感覚が好きです。文庫版も持ち運びやすいし、このレベルなら手元に置いておいて損なしですよ。

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