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署長サスピション

署長サスピション

今野 敏 講談社 2026年3月18日

感想

エンジニアとして複雑なシステムを設計することが多いため、人間関係の複雑さや予測不可能な展開の面白さに惹かれるんですが、この作品はまさにそのツボにはまりました。 怪盗フェイクという変幻自在の犯人と、大森署の藍本小百合たちの緊迫した対立。日時指定での犯行予告という大胆な宣言から始まるストーリーは、どこかオペレーション的な綿密さがあります。一億円という大金と、署長室の金庫という限定された舞台設定も、論理的な思考を持つ人間にとって非常に満足度の高い設定です。 本筋の謎解きの面白さはもちろん、登場人物たちの会話や小ネタが秀逸で、思わず笑ってしまう場面も多い。新書という手軽なフォーマットながら、濃密な物語体験ができるのは、著者の力量の表れだと思います。 用心深く本を選ぶ方にはぜひお勧めしたい。事前のレビュー評価に違わず、読んで損なし。続編があるならそちらも読みたくなる完成度の高さです。

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