洋子の本棚
どうする旧国鉄債務

どうする旧国鉄債務

横田 一 緑風出版 1998年4月1日

感想

旧国鉄債務という複雑な経済問題を、一般向けに解きほぐそうとした意欲的な一冊です。国民1人あたり20万円という具体的な数字から始まる問題提示は分かりやすく、つい引き込まれてしまいます。 本書の強みは、単なる債務統計の羅列に留まらず、政治家や大蔵省といった責任主体に焦点を当てている点。「誰が悪いのか」という問いに直球で向き合おうとする姿勢は評価できます。特に地価高騰による売却ストップや、道路特定財源という「聖域」に触れるくだりは、日本の構造的な問題を考えさせられました。 ただ、全体的には主張が先行しすぎているような印象も受けます。もっとデータに基づいた丁寧な検証があれば、説得力がさらに増したのではないでしょうか。また、複雑な財務問題だからこそ、図解や表を活用してほしかった部分も多々あります。 良質な問題提起書として読む価値はありますが、深い理解を求める読者には物足りなさが残る、そんな印象の一冊です。

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