れんの本棚
感想

「みつ屋」シリーズの第4弾ということで、話題になっていたから手に取ってみた。正直、最初は「デパ地下の和菓子屋?」という軽めの設定に戸惑ったんだが、読み進めるうちにこの作品の魅力に引き込まれた。 主人公・アンちゃんの周囲で起きる別れと出会いが、丁寧に、時に切実に描かれている。職場での人間関係やキャリアの迷い、恋愛といった40代の自分にも響く要素が随所にある。デパ地下という限定的な舞台なのに、そこから広がる人間ドラマの厚みがいい。 和菓子という題材も秀逸だ。各章で登場する和菓子の背景には物語があり、人物たちの想いが投影される。それが食べ物を通じて伝わってくる感覚は、ビジネス書とは違う小説ならではの良さだと感じた。 シリーズものだから初めから読んだ方が理解は深まるだろうが、この巻だけでも十分楽しめる。甘酸っぱさと大人らしい余韻が心地よい一冊。次のシリーズも確実にチェックするつもりだ。

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