石井の本棚
魔女の体力 40歳、女性が体力をつけるべきとき

魔女の体力 40歳、女性が体力をつけるべきとき

イ・ヨンミ / 田中 千晴 世界文化社 2026年3月26日

感想

デスク業務に縛られた日々の中で、このエッセイに出会えて本当に良かった。著者の夜型・低体力という属性は、私たちエンジニアと驚くほど重なっている。長時間座ったままのコード執筆、睡眠不足、運動習慣の欠如──そうした「仕方ない」と諦めていた状態から脱却する道筋が、ここには非常にリアルに描かれている。 何より素晴らしいのは、著者が無理な変身を目指していないことだ。完璧な朝型人間になることではなく、自分のペースで身体と向き合う過程が丁寧に綴られている。ユーモアを交えた文体は軽やかでありながら、40代女性が仕事と生活の狭間で直面する本質的な疲弊についても深く触れている。読んでいて「あ、これ自分だ」と何度も共感した。 特に評価したいのは、体力という物理的な課題が、心理的・精神的な充足へどうつながるのかを自然に示してくれる点。技術書のような客観的データはないが、その代わりに人間らしい変化の実感が濃密だ。34歳の今だからこそ、40代に向けた選択肢をもらえた気がする。働く女性全員に薦めたい一冊。

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