ベルリン警察怪異課 〜邪神帝国零〜

ベルリン警察怪異課 〜邪神帝国零〜

朝松 健 / 山田 章博

出版社:新紀元社 出版年月日:2026/02/24

新紀元社 | 2026/02/24

3.67
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

話題のクトゥルフホラー小説ということで、手に取ってみました。朝松健の代表作『邪神帝国』の前日譚ということで、期待を込めて読み進めたのですが…正直なところ、可もなく不可もなくといった印象です。 1930年ベルリンという舞台設定は確かに魅力的。ナチス台頭前夜の歴史的背景と、黒魔術カルトの陰謀が絡み合う構成は興味深いです。刑事と神父のバディものという設定も悪くありません。山田章博の挿絵も独特の雰囲気を出しています。 ただ、全体的にやや散漫な印象を拭えませんでした。歴史冒険小説としても、クトゥルフホラーとしても、どちらに軸足を置いているのか曖昧な部分があるように感じます。キャラクターの掘り下げがもう一段階欲しかったし、恐怖感の盛り上がりも予想通りといった感じ。 『邪神帝国』への導入という位置付けなのでしょうから、その点ではそれなりに役割を果たしているのだと思います。シリーズ世界への入り口としては及第点、ただ単体の作品としては並みといったところでしょうか。

感想

話題になっていたから手に取ってみたんですが、これは本当に面白い!1930年ベルリンという歴史の転換点を舞台に、クトゥルーホラーと歴史冒険小説が見事に融合している作品です。 刑事ヴィントと若き神父マスカードのバディが魅力的で、二人の対比がストーリーを引き立てている。連続猟奇殺人事件という表の顔と、黒魔術カルトという裏の顔が重なる構成が秀逸です。何より、歴史の暗い転換期に怪物や魔術が潜む世界観が、不気味さと緊張感を高めています。 朝松健の著作は初めてだったのですが、こんなスケールの大きな作品を書く人だったんですね。山田章博の画も相まって、ビジュアル的にも魅力的です。ただ、クトゥルフ神話の知識があるとより一層楽しめるのかな、という気がしました。それでも十分に引き込まれましたが。 最近、こういう本が減っていたから新鮮です。歴史冒険ものが好きな方にも、怪異な世界観が好きな方にも、ぜひ読んでほしい一冊。続きも気になります。

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