子どもが喜ぶことだけすればいい

子どもが喜ぶことだけすればいい

佐々木 正美 / 100%ORANGE

出版社:ポプラ社 出版年月日:2021/01/20

ポプラ社 | 2021/01/20

4.67
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

子育てに関する本というと、つい「効率的な方法は何か」と思考が向かう職業病がある。だからこそ、この本の根底にあるシンプルな哲学に驚いた。 佐々木正美さんのメッセージは、システムやアルゴリズムではなく、人間の本質に立ち戻ることの大切さを教えてくれる。「かわいがられるからいい子になる」「過保護で子どもをダメにした事例を知らない」といった断定的な言葉は、一見するとポップに見えるかもしれない。しかし、その背後にある児童精神科医としての深い臨床経験と確信が透けて見える。 特に響いたのは、マニュアル化された子育てではなく、目の前のその子に寄り添うことの重要性だ。エンジニアとして最適化を求める癖が強い私にとって、「そのままでいい」というメッセージは、逆説的だが非常に論理的に思える。信頼と安心が土台にあってこそ、子どもは自分に自信を持つことができるという因果関係は明確だ。 子どもがいない自分にとっても、人間関係の本質について改めて考える良い機会になった。親世代だけでなく、誰もが読む価値のある一冊だと思う。

感想

最近、職場の先輩の子育ての話を聞いていて、親として子どもに接することの難しさを改めて考えるようになった。この本は、そうした現代の親たちの迷いや不安に対して、著者・佐々木正美さんが静かで力強いメッセージを届けてくれる一冊だ。 印象的なのは、従来の子育て論とは異なるアプローチだ。「いくら抱いても甘やかしてもいい」といった一見、相反する主張が、実は子どもの心理発達の本質を捉えた深い洞察に基づいていることが分かる。マニュアル化された子育ての正解を求めるのではなく、目の前の子どもそのものを見つめることの大切さが貫かれている。 人文系の読書が好きな自分としては、心理学的な根拠が随所に感じられる構成も好印象だ。新社会人として仕事の悩みに直面している今だからこそ、この本が示す「相手を信じることの力」というメッセージが心に響く。子育てに関わらず、人間関係全般における根本的な姿勢を学べる良書である。

感想

新社会人になって職場の先輩から子育ての話を聞く機会が増えたことで、この本に興味を持ちました。児童精神科医・佐々木正美氏の著作ということで期待して読み始めたのですが、予想以上に考えさせられる内容でした。 最も印象的だったのは「かわいい子だからかわいがるのではなく、かわいがられるからいい子になる」という逆転の発想です。世間的な「正しい子育て」に縛られるのではなく、目の前の子どもの喜びに素直に応えることの大切さが一貫して述べられています。親の焦りや不安を丁寧に解きほぐしていく文体も秀逸で、子育て当事者でない自分にとっても、人間関係や自己肯定感についての普遍的な示唆を受け取ることができました。 特に「過保護で子どもをダメにした事例を知らない」という主張は、親世代が陥りやすい不安への力強いメッセージになっていると思います。実践的なノウハウよりも、根底にある哲学や考え方が優れた本だと感じました。将来親になる立場の人はもちろん、現在の人間関係や自分への向き合い方を考え直したい人にもお勧めできます。

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