無理難題が多すぎる

無理難題が多すぎる

土屋 賢二

出版社:文藝春秋 出版年月日:2016/09/02

文藝春秋 | 2016/09/02

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

仕事で疲れている時こそ、こういう本が必要だなと痛感した。ツチヤ教授という架空の人物の周辺に次々と降りかかる理不尽な出来事たちを読んでいると、なぜか自分の日常の悩みが少し軽くなる感覚がある。 「ぼっち席」や「運転免許の更新」といった、誰もが経験するような局面での教授のドタバタぶりは、笑いながらも妙に共感できる。著者のユーモアセンスは単なる無駄話ではなく、生活の中で誰もが感じている違和感や矛盾をスマートに可視化している点が秀逸だ。真面目に読もうとするのではなく、肩の力を抜いてエッセイの流れに身を任せるのが正解だと思う。 会社での会議中に訳の分からない指示が飛んでくる時、つい「無理難題」というフレーズが頭をよぎるようになった。それくらいこの本の世界観が心に引っかかっている。疲れた平日の夜に、ちょっとずつ読み進めるのに最適な一冊。同じような環境にいる人なら、きっと何度も頷きながら読むはずだ。

感想

ツチヤ教授というキャラクターが取り組む日常的なトラブルや疑問を扱ったエッセイ集ということで、軽く読めるユーモア本として期待して手にとりました。 実際に読んでみると、各章で提示される「問題」のバリエーションは確かに豊富で、「ぼっち席」から「矛盾との闘い方」まで、取り上げるテーマの幅広さには好感が持てます。教授という立場からの観察眼も面白く、日常生活で見落としがちな違和感を拾い上げるセンスは悪くありません。 ただ、正直なところ、各話の完成度にばらつきがあるというのが本音です。笑える章もあれば、「これはどういうオチなんだろう」と首をかしげる章もある。エッセイ集としての統一感に欠ける部分があり、読んでいて「あ、この話は面白いな」と思ったかと思えば、次の章では興味が散漫になってしまいます。 ユーモア本としては及第点ですが、人文書を多く読んできた身としては、もう一段階深い思想的な掘り下げや、より洗練されたユーモアの質感があれば、より満足できたのかもしれません。軽い気分転換には十分ですが、特別な印象は残りませんでした。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ