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ママがもうこの世界にいなくても

ママがもうこの世界にいなくても

遠藤 和 小学館 2021年12月1日

感想

人生について考えさせられる本との出会いだった。21歳でがん宣告を受けた著者が、それでも愛する人と歩むことを選び、限られた時間の中で何を大切にするのかを問い続ける記録である。 自営業をしていると、経営判断や人生設計について常に現実的な選択を迫られる。しかし本書を読むと、統計や確率といった論理的な数字では測れない、もっと根源的な何かに揺さぶられる。著者と夫の対話、日記の記述から滲み出てくるのは、絶望ではなく、むしろ人生を全肯定しようとする力強さだ。 特に印象深いのは、葛藤の過程が素直に綴られていることである。きれいごとや美談に仕立てるのではなく、苦悩しながらも前に進もうとする著者の姿が、かえって深い感動を呼ぶ。53年を生きた立場から見ても、人間関係の本質、覚悟とは何かについて、この作品が示唆するものは大きい。 人文的価値のある、読む価値のある一冊だと言える。

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