莉子の本棚
感想

この本を手に取るまで、私は正直さが何よりも大切だと信じて生きてきました。しかし著者の主張を読み進むにつれ、人生七十年をかけて見てきた世の中の矛盾がようやく腑に落ちた気がします。 特に印象深かったのは、獄中で著者が辿り着いた人間観です。正義感を前面に出すと確かに痛い目に遭う。ボランティア活動を通じても、そうした場面に何度も遭遇してきた私には心当たりが多くあります。本書は決して悲観的ではなく、むしろ人間の本質を知ることで、無駄なストレスから解放されるという前向きなメッセージが貫かれています。 丁寧で読みやすい新書版の形式も、じっくり考えながら読み進めるのに適していました。完全に同意できない部分もありますが、これからの人生をより気楽に、そして知恵深く歩むための良い指南書となりました。年配世代こそ読む価値のある一冊だと感じます。

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