莉子の本棚
感想

このお話を手にしたのは、レビューの「詩情あふれる大人のメルヘン」という言葉に惹かれたからでした。そして読み進めるうちに、その表現がぴったりだと気づきました。 帽子や数字の2、きゅうりが住人として登場するなんて、初めは戸惑ってしまいましたが、読んでいるうちに不思議な世界観に引き込まれていきました。作者の想像力の豊かさに驚きます。三人の住人たちの、ちょっと変わった日々の営みが、丁寧に丁寧に描かれていて、おかしみと同時にどこか哀しさも感じられます。 何より、挿画が多く入っているおかげで、文字だけの小説より優しく読み進められたのが嬉しかったですね。このくらいの年代になると、目も疲れやすいものですから。物語は短めですが、それでいて心に残るものがあります。 子どもにも大人にも楽しめる、そういう作品に出会うのは稀です。ボランティアで児童施設を訪れることもありますが、こういう本があると素敵だなと思います。大切に何度も読み返したい一冊になりました。

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