莉子の本棚
超高級老人ホームに入ってみた

超高級老人ホームに入ってみた

平野 悠 集英社 2026年7月17日

感想

同じような年代の人間として、この本は大変興味深く読みました。これからの人生設計を考える上で、避けて通れない「老後」という問題を、これほど率直に、そして時にユーモアを交えて描いた作品は珍しいと思います。 著者は「ロフト」という文化施設の創業者という独特の背景を持ちながらも、超高級老人ホームという金銭的に恵まれた環境でも、人間関係や自由の問題から逃げられないという現実を浮き彫りにしています。施設の豪華さと入居者の心の満足度が必ずしも一致しないという、大変な問題提起になっていました。 何より感心したのは、著者の率直さです。高級施設への批判も、自らの判断ミスも、ごまかさずに書かれている。これは、これからの老後を考える私たち世代にとって、貴重な参考資料となります。ただ高級であればよいのではなく、本当に必要なものは何か、という問いかけが心に残りました。 慎重に本を選ぶ私ですが、この一冊は多くの同年代の方に読んでいただきたいと心から思います。

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