儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴

米澤 穂信

出版社:新潮社 出版年月日:2011/07/01

新潮社 | 2011/07/01

4.00
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

米澤穂信の作品は評判が高いので期待して手に取りましたが、正直なところ、予想と異なる読後感となりました。 「バベルの会」という優雅な読書サークルを舞台に、毎年同じ日に繰り返される殺人事件という設定は確かに興味深く、プロットの構想力は素晴らしいです。甘美な語り口で描かれた世界観も、作者の文体の巧みさを感じさせます。 しかし、四年にわたる事件の経過を追っていくうちに、物語の進展が若干冗長に感じられてしまいました。各事件の詳細な描写は丁寧ですが、ミステリ好きな私としては、謎解きの部分でやや物足りなさを感じます。最後に明かされるという「残酷なまでの真実」も、準備されていた伏線を辿ると、そこまで衝撃的ではないと感じてしまったのは残念です。 決して悪い本ではありませんが、米澤穂信の他の作品と比較すると、やや中程度という印象が拭えません。慎重に作品を選ぶ私にとっては、この一冊は「良好だが最優先候補ではない」という評価に落ち着きました。

感想

米澤穂信の『儚い羊たちの祝宴』を読み終わりました。正直、これほどまでに引き込まれるミステリ小説に久しぶりに出会った気がします。 「バベルの会」という優雅な読書サークルを舞台に、毎年同じ日に起こる連続殺人事件。その謎を追いながら物語が進むのですが、米澤特有の甘美な語り口が本当に秀逸です。一見すると優雅で儚い世界観なのに、その底に流れる邪悪さが心地よい緊張感を生み出しています。 特に印象的だったのは、事件の真実が明かされていく過程。複数の視点から描かれることで、同じ出来事が違う表情を見せるんですね。その手法の巧みさに脱帽です。最後の真実は、予想を裏切る残酷さで、読み終わった後もしばらく考えずにはいられませんでした。 話題になるだけの価値がある一冊。ミステリ好きはもちろん、文学的な読み応えを求める人にもぜひ読んでいただきたい。我が家の本棚にも末永く並ぶことになりそうです。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ