再会
講談社 | 2012/08/01
みんなの感想
テレビドラマの原作という触れ込みで手に取りましたが、これは本当に傑作です。江戸川乱歩賞受賞作というのも納得できました。 小学生時代の過去と23年後の現在が緻密に絡み合う構成が見事です。四人の幼なじみという限定された人物関係だからこそ、犯人は誰なのか、あの拳銃は本当に誰が掘り出したのか、最後まで気が抜けません。管理職として日々、人間関係の複雑さを目の当たりにしていますが、この作品で描かれる各人の心理描写は実にリアル。時間の経過とともに変わってゆく人間、変わらない秘密、それらが衝突する瞬間の緊張感がたまりません。 横関大の筆力の高さも光ります。長編であるにもかかわらず、ページをめくる手が止まりませんでした。話題の作品として満足したというだけでなく、ミステリ小説として純粋に優れた一冊です。映像化されたのも分かる気がします。ぜひ続けて他作品も読みたくなりました。
懐かしい友人との再会って、誰もが一度は経験する出来事ですよね。そこにミステリーの要素が絡むと、こんなに面白くなるのかと感心しました。 23年前に埋めた拳銃をめぐる四人の幼なじみの物語。各章で視点が変わっていくのですが、それぞれのキャラクターの背景や心理が丁寧に描かれていて、どんどん引き込まれます。教員をしていると、子どもたちの将来を見守ることの大切さを感じますが、この作品はそういった時間の経過と人間の変化を上手に表現しています。 何度も映像化されているだけあって、構成がしっかりしているし、ページをめくる手が止まりません。最後の真相に至るまで、どの登場人物が犯人なのか予想がつきにくく、最後まで楽しめました。気軽に読める文庫本というのも良くて、学期末の忙しい時期に息抜きとして読むのに最適でした。 横関大のデビュー作とのことですが、この傑作を読んでからは他の作品も気になり始めています。ミステリー好きな方はもちろん、少年時代の友情に興味がある方にもおすすめできる一冊です。
テレビドラマの原作ということで、興味を持って手に取ってみました。江戸川乱歩賞受賞作ということで期待値も高かったのですが、読み終わってみると「まあ、こんなものか」という感じです。 幼なじみ四人組が23年後に再会するという設定は面白く、タイムカプセルに隠した拳銃というガジェットも効果的です。過去と現在が繋がるミステリとしての骨組みは確かにしっかりしています。しかし、読んでいて心が揺さぶられるような衝撃や、意外性にあふれた展開というものが今ひとつ感じられませんでした。登場人物たちの心情描写も丁寧ではありますが、どこか薄っぺらく感じてしまいました。 ドラマ化されたというのも納得で、映像化には向いた構成だとは思います。ただ小説として読んだときの満足度という点では、もう一段階何かが欲しかった気がします。決して悪い本ではありませんが、この値段でわざわざ文庫版を買うかどうかは、他のレビューをよく参考にしてから判断することをお勧めします。