新装版 コインロッカー・ベイビーズ
講談社 | 2009/07/15
みんなの感想
ずっと話題になっていたこの作品、ついに読むことができました。正直なところ、最初は不可解な設定に戸惑ったのですが、読み進むにつれてその独特の世界観に引き込まれていきました。 コインロッカーで生まれた二人の少年という奇想天外な起点から始まるこの物語は、都市の中で繰り広げられる解放への希求を描いています。日常と非日常の境界が曖昧になっていく感覚、そして社会への反発と自由への欲望が織り交ぜられた表現は、読んでいて毒のような、それでいて清々しい気持ちになります。 登場人物たちのセリフや行動は一見奇妙ですが、その根底にある感情や葛藤は非常にリアルです。公務員という立場で日々ルールの中にいる身としては、この作品の「絶対の解放」を求める姿勢には強く惹かれるものがありました。 新装版ということで装幀も美しく、改めて手に取る価値のある傑作だと思います。難解な部分も多いですが、だからこそ考えさせられ、何度も読み返したくなる作品です。
コインロッカーで生まれた二人の主人公を追う、という設定だけで惹かれて手に取りました。新装版というのも、ちょっと読んでみようかな、という気持ちにさせてくれます。 実際に読んでみると、確かに独創的で、既存の小説の枠を超えようとする意欲は伝わってきます。ただ、正直なところ、その意欲と実現のバランスが私にはしっくり来なかったというのが本音です。 心理描写の密度は濃いのですが、物語全体の構成や登場人物たちの行動原理が、時々読み手から遠ざかるような感覚に陥りました。フリーランスで細かく仕事をしている身としては、論理的な流れを追いながら読むことが多いせいか、もう少し「なぜそうなるのか」という説明があると入り込みやすかったと思います。 傑作という評価も多いようなので、読む人によって大きく評価が分かれる作品なのかもしれません。文学的な冒険を求める方には響く一冊だと思いますが、私にとってはもう一歩届かなかった、という印象です。
この本を手に取ったときは、正直なところちょっと構えてしまいました。だって『コインロッカー・ベイビーズ』って、何だか難しそう…って思ってたんです。でも読み始めたら、もう一気です。 コインロッカーで生まれた二人の少年少女の物語なんですけど、もう設定からして唯一無二ですよね。現実と幻想の境界がぐちゃぐちゃになったような世界観が、逆に超スッと入ってくる。鰐のガリバーとか、海に眠るダチュラとか、普通なら奇想天外すぎる要素が、読んでいるうちに当たり前になっていく感覚が面白い。 登場人物たちの行動や会話も独特で、時々「え、ちょっと待って」って思うんだけど、そのたびに世界観にぐいぐい引き込まれていく。親を探す旅という一見シンプルなテーマなのに、描かれているのは絶対的な自由への希求とか、社会への違和感とか、もっともっと深いものがある。 新装版ということで読みやすくなってるってのも嬉しい。毒薬のようで清々しい、っていう紹介文の通り、読んだ後はなんか心がスーッとしてました。また読み返したい傑作です。
何度読んでも新しい発見のある本です。コインロッカーで生まれた二人の少年の運命を追うこの物語は、一見するとファンタジックな設定なのに、読み進むにつれて現代社会への痛烈な問い掛けが迫ってくる。登場人物たちの奇想天外な行動や言葉遣いは奔放で、時には理解しがたいほどなのですが、その中に人間らしさや自由への渇望がしっかり根ざしているんですね。 新装版ということで改めて手に取ってみたのですが、50代を過ぎた今だからこそ響く部分がたくさんあります。若い頃読んだ時の印象とは異なり、社会的な窮屈さや人間関係の複雑さを知った今だからこそ、この作品が描く「絶対の解放」への希求が、より切実に感じられるようになったんです。毒薬のようで清々しいという帯の言葉が秀逸。この矛盾を包含した不思議な魅力こそが、この傑作が時代を超えて愛される理由だと思います。 自営業をしていると、時に枠から抜け出したくなることもあります。そんな気分の時に、こういった破壊的で自由奔放な作品と出会えるのは、本当に救いになりますね。
大学の読書会で薦められた一冊です。正直、最初は奇想天外なストーリー設定に戸惑いました。コインロッカーで生まれた二人の少年少女という前提だけで、どんな物語が展開するのか見当がつかない。しかし読み進めるうちに、この奇抜さが本質的な問いかけへの入り口だと気づきました。 横尾忠則の装画も秀逸で、視覚的にも引き込まれます。物語は現代社会への痛烈な違和感を、幻想的で詩的な言語で表現していく。登場人物たちの行動や思考は一見非論理的ですが、そこに深い哲学性が隠れている。特に東京という都市空間での疎外感やアイデンティティの問題は、新社会人として働き始めた自分にも他人事ではありません。 すべてが理解できたとは言いませんが、その曖昧性こそが現代文学の魅力だと感じました。評価の高さに納得できる傑作です。再読してさらに深い層を掘り下げたいという欲求が湧いています。
仕事の疲れで気分転換したいときに手に取った一冊でしたが、予想外に深い世界観に引き込まれてしまいました。 コインロッカーで生まれるという奇想天外な設定から始まる本作は、純文学の枠を超えた独特のエネルギーに満ちています。個性的なキャラクターたちが繰り広げる物語は、時に不条理で、時にロマンティック。エンジニアの仕事で論理的思考に頼りっぱなしの日々を送っているからこそ、こうした非現実的で自由奔放な表現に心がすごく反応したんだと思います。 新装版ということで、新しい解釈で向き合えるのも良かった。昔読んだ人にとってはもちろん、初めての読者にとっても、時代を経た今だからこそ響く何かがある作品だと感じます。気軽に読める一冊というより、しっかり読み込む価値がある傑作。これからも折に触れて手に取りたくなる本になりそうです。