うきうき思いつきひとり遠足
KADOKAWA | 2026/02/12
みんなの感想
中年になると「自分の時間」の大切さに気づくものだ。この本は、そうした大人の実感を丁寧に拾い上げた良書だ。 やどかりを返すという小さなきっかけから始まる「ひとり遠足」。著者がレインボーブリッジを歩く時の緊張感やドキドキとした感覚がリアルに伝わってくる。子育て中の日々に埋没していた自分を思い出す瞬間ーそれは多くの働き盛りの読者にとって他人事ではないだろう。 フリーランスの私も、独立当初は時間が自由だったはずなのに、いつの間にか予定で埋め尽くされている。著者が描く「やってみたい」を実行する姿勢には素直に励まされる。半日という短い時間で完結する遠足の数々は、忙しい大人だからこそ実践的だ。 装飾的でない、素朴な文体も好感が持てる。特に著者が感じる違和感や戸惑いの描写は、同世代として深く共感できた。人生の後半戦を充実させるには「好奇心を行動に移す」ことが重要だと改めて認識させてくれた一冊。
子育ての合間に「自分の時間」を取り戻していく著者の日常を綴ったエッセイです。やどかりを返しに行く小さなきっかけから始まる一連のお出かけの記録は、同じ年代の働く女性として、どこか心に引っかかるものがありました。 独身時代は自由に旅をしていたのに、結婚・出産を経て、いつの間にか自分の時間を忘れていく——そうした経験は多くの女性が共有するものだと思います。著者が「大人になったけれど、ドキドキしながら」行動していく姿勢は、素直で好感が持てます。 ただ、正直なところ、内容が淡々としていて、物語としての起伏に欠ける印象は拭えません。「これは誰もが感じることではないか」という感覚が読み進むうちに強くなってしまいました。もう少し深い思考や、より個性的なエピソードがあれば、より引き込まれたのではないでしょうか。 話題作という触れ込みなので手に取りましたが、共感できる部分はありつつも、特に心に残る言葉や発見があったわけではない、という感じです。同じような気づきを得たい方の参考にはなるでしょう。