子育ての合間に「自分の時間」を取り戻していく著者の日常を綴ったエッセイです。やどかりを返しに行く小さなきっかけから始まる一連のお出かけの記録は、同じ年代の働く女性として、どこか心に引っかかるものがありました。 独身時代は自由に旅をしていたのに、結婚・出産を経て、いつの間にか自分の時間を忘れていく——そうした経験は多くの女性が共有するものだと思います。著者が「大人になったけれど、ドキドキしながら」行動していく姿勢は、素直で好感が持てます。 ただ、正直なところ、内容が淡々としていて、物語としての起伏に欠ける印象は拭えません。「これは誰もが感じることではないか」という感覚が読み進むうちに強くなってしまいました。もう少し深い思考や、より個性的なエピソードがあれば、より引き込まれたのではないでしょうか。 話題作という触れ込みなので手に取りましたが、共感できる部分はありつつも、特に心に残る言葉や発見があったわけではない、という感じです。同じような気づきを得たい方の参考にはなるでしょう。