数字じゃ、野球はわからない

数字じゃ、野球はわからない

工藤公康

出版社:朝日新聞出版 出版年月日:2025/01/10

朝日新聞出版 | 2025/01/10

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

データの時代と言われる中でも、なお人間の経験と直感が価値を持つ領域があるのだと、この本を読んで改めて実感しました。工藤公康という稀代の投手が、セイバーメトリクスなどの最新理論一辺倒の野球界に対して異を唱える姿勢は、管理職として統計情報と現場知見のバランスをとろうとする私の日常とも通じるものがあります。 著者は数字を否定しているのではなく、むしろ数字では捉えきれない野球の本質を問い直しているのです。その論理的でありながらも情感的な語り口は、新書というフォーマットの中でも特に読みやすく整理されている。昭和から令和への野球の進化を追う過程で、時代とともに失われたもの、新たに獲得されたものが浮き彫りになっていく構成も秀逸です。 普段、野球の深い知識がない読者でも、スポーツと人生、データと経験といった普遍的なテーマを考えるきっかけとなる一冊。管理職として数字に追われる日々の中で、こうした視点の切り替えはとても良い刺激になりました。

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