みいの本棚
神さまのビオトープ

神さまのビオトープ

凪良 ゆう 講談社 2017年4月20日

凪良ゆう先生の作品は『汝、星のごとく』で話題になってから気になっていて、今回この『神さまのビオトープ』を手に取りました。 夫の幽霊と暮らす主人公・うる波という設定だけで、もう惹きこまれてしまいます。最初は不思議なファンタジーかと思ったのですが、読み進むにつれて、社会的な「正しさ」に縛られた人々の内面がこんなに繊細に描かれているのかと感動しました。 この本が伝えたいことって、多様な幸せのかたちについてなんだと思います。世間一般では「歪み」と呼ばれるような人間関係や生き方も、その人にぴったり合っていれば、それは誰にも否定される筋合いのないものだという視点。42年生きてきた私だからこそ、その柔軟さと温かさに心がほっこりしました。 秘密を抱えた登場人物たちの描き方が本当に丁寧で、一人ひとりに向き合いたくなる気持ちになります。話題の本というだけでなく、人生経験が必要な小説だと感じました。ぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊です。