感想
ライトノベルという枠組みを超えた傑作だ。正直なところ、この年代の読者が最初は手に取りにくいジャンルだと思っていたが、一度読み始めると止められなくなった。 主人公と渡良瀬まみずの関係性の描き方が見事である。余命わずかという重いテーマを扱いながらも、押し付けがましくなく、二人の小さなやり取りの積み重ねで心が揺さぶられていく。自分たちが若い頃に出会いたかったような、本当に大切なものは何かを問い直させられる物語だ。 綾崎隼が絶賛した理由がよく分かる。商業的な成功に甘えず、感情の本質を丁寧に描こうとする執筆姿勢が随所に感じられる。また、月の光という美しい表現をテーマに絡めた構成も洗練されている。 商売で疲れた心が、この本を通じて何か大事なものを思い出させてくれた。年を重ねた今だからこそ響く言葉がある。ライトノベルの枠を信じず、気になる方は一度手に取ることを強く勧めたい。人生について考えさせられる、本当の意味での傑作だと思う。