直木賞受賞作とのことでしたから、少し躊躇しながら手に取りました。ですが、この判断は正解でした。 中学二年生の四人の少年たちが、月島という舞台で繰り広げる日々の物語なのですが、読んでいて自分の子どもや孫の年代を思い出させてくれます。友情、恋、そして人生で避けられない悲しみまで、彼らが全力で受けとめていく姿勢に心を打たれました。 何より素晴らしいのは、描写の爽やかさです。自転車で駆け抜ける少年たちの躍動感が、文字を通じて伝わってくるようです。若い時代の輝きと、同時にそこに潜む深い感情が、とても丁寧に表現されていると感じます。 ボランティアの仕事をしていて、様々な年代の方々とお話しする機会が多いのですが、この本は世代を超えて多くの人に読んでほしいと心から思います。青春とは何か、成長とは何かを考えさせてくれる、本当に良い作品です。文庫本なので手にも取りやすく、皆さんにもぜひお勧めしたい一冊です。