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生きとるわ

生きとるわ

又吉 直樹 文藝春秋 2026年1月28日

又吉直樹さんの『生きとるわ』を読み終わりました。『火花』以来の新作ということで期待していましたが、いい意味で期待を裏切られました。 高校時代の友人との借金トラブルから始まるこの物語、一見するとダークなテーマなのに、読んでいて思わず笑ってしまう場面がたくさんあるんです。人間のドロドロとした部分と、そこにある種の滑稽さを同時に見せる力って、本当にすごいなって感じました。 主人公・岡田の「順調に見える人生」が次々と崩れていく様子は、他人事とは思えない迫力があります。自営業をしている身としても、人間関係のもつれがビジネスに及ぼす影響って、本当に侮れないんですよね。その緊張感がずっと続く。 それでもこの本から感じたのは、人生ってやっぱり予測不可能で、その中で何とか足掻いて生きていくしかないんだな、という諦観と覚悟みたいなものです。暗いだけじゃなくて、どこか温かみがある。だから最後まで一気読みできてしまいました。自分の人生を改めて考える、いい機会をもらった気がします。