下巻を読了しました。正直なところ、期待値と実際のズレを感じずにはいられませんでした。 確認に手間をかけるタイプなので、この作品についても複数のレビューを参考にしてから購入したのですが、直木賞受賞作というだけで過度な期待を持ってしまったのかもしれません。セブ島を舞台にした少年の成長譚として、政治的な背景やゲリラとの関わりを通じたドラマティックな展開は興味深かったです。ただ、上巻から続く物語全体を通して、やや散漫な印象は否めません。 少年が男へと脱皮していくプロセスは描かれていますが、その過程での心理描写にもう少し深掘りがあれば、より心に響く作品になったのではないかと思います。冒険小説としての娯楽性と文学性のバランスが、個人的には少し緩い気がしました。 フリーランスという立場で忙しい日々を過ごしているので、限られた読書時間の中で選ぶとなると、申し訳ないですが優先順位は高くないかもしれません。ただし、フィリピンの社会情勢や三世界文学に興味がある方には価値のある一冊だと思います。