# 書店主フィクリーのものがたり 本選びは常に慎重派な私ですが、このレビューをいくつか目にして惹かれました。実際に読んでみると、その期待を見事に上回る作品でした。 島の小さな書店という舞台設定がとても素敵です。捨てられていた幼児マヤとフィクリーの関係を軸に、物語が緩やかに、しかし確実に進んでいく。エンジニアとして日々の業務で論理的思考に頼りきっている私にとって、この作品のあたたかみのあるストーリーテリングは本当に心地よかった。 マヤが成長していく過程で本との関わり方が変わっていく様が丁寧に描かれているのが良いですね。「読書とは何か」という問いが、説教的にならずに自然と浮かび上がってくる。エッセイ的な軽やかさと、小説としての深さが両立しているように感じます。 読みやすさも考慮すると、本選びに時間をかけたい慎重なタイプの人にこそ手に取ってほしい。時間を使う価値のある、本当に素晴らしい作品です。