精神病棟というと、どうしても暗いイメージを持ってしまうものですが、このエッセイ集を読んでいて、そんな先入観がすっかり吹き飛んでしまいました。著者の語り口がとても柔らかく、人間らしいんですよ。 躁うつ病と向き合いながら生きる中で、著者が見つけた景色や思い、ちょっとした喜びが、さらりと綴られています。医学的な深さだけじゃなく、文学的な温かみがあって、つい引き込まれてしまいます。定年も近い年代だからこそ、人生の中での心身の変化を考えさせられることもありました。 何より驚いたのは、タイトルの「花園」という表現。病棟という限定された空間の中にさえ、美しさや希望があるんだという視点が、とても素敵だなと感じました。重たすぎず、でもちゃんと考えさせてくれる。こういった本を気軽に読める幸せを改めて感じますね。ぜひ多くの人に手に取ってもらいたい一冊です。