あーちゃんの本棚
感想

イヤミス好きな友人の勧めで手にした一冊です。連続殺人鬼とその妻たちという、かなり独特な視点の作品でした。 物語の軸はルースという女性が過去と向き合いながら真相を追っていくというもの。説明文の「妻たちの心でくすぶり続ける感情」という部分に惹かれて読み始めたのですが、この設定は面白いと思います。殺人鬼という極端な存在の影に隠れた女性たちにスポットを当てるというのは、確かに新しい視点です。 ただ、実際に読んでみると、その面白さを十分に引き出しきれていない印象を受けました。ストーリーテリングに工夫が欲しかった部分もあるし、キャラクターの内面描写ももう少し深掘りがあれば良かったと感じます。職場でも家庭でも人間関係のもつれに向き合う毎日なので、心理描写の充実度には結構敏感なんですよね。 テンポよく読める作品ではあるので、移動中や休日にさらっと読みたい時には良いかもしれません。でも心に強く残る何かがあるかと言うと、うーん、という感じでしょうか。