本屋大賞受賞作ということで、かなり期待を込めて手に取りました。映画化もされているということで、話題性もあるし、どんな傑作なのかと思ってね。 読んでみた感想としては、確かに人間関係の複雑さをよく描いている作品だと思います。親を失った少女が、大人の男性との出会いから始まる人間関係を描いているわけですが、その微妙な心理状態は丁寧に表現されている。文体も読みやすく、長編ながらも一気読みできるほどです。 ただ、正直なところ、自分の年代からすると、この作品の本質的な感動までは届きませんでした。若い世代には響くのかもしれませんが、人生を長く生きてきた身からすると、予想がつく展開が多く、特に目新しさを感じられなかったというのが本当のところです。 決して悪い作品ではありません。丁寧で、技巧的です。ただ、大賞受賞作として期待していた感動や深さが、自分には少し足りなかったように感じます。時間に余裕がある方、若い世代の方には一度読んでみることをお勧めします。