定年前のこの時期、日本人とは何かをあらためて考える機会をくれた一冊です。 復刻版ということで少々躊躇いがありましたが、現代語訳が施されているとのことでしたので手に取ってみました。思った以上に読みやすく、昭和の時代に書かれたものとは思えないほど今の我々にも響く内容が詰まっていました。 著者の日本人観は深く、かつ冷徹です。表面的な日本文化論ではなく、私たちが無意識のうちに持っている思考様式や行動原理をえぐり出しているような感覚を覚えました。長年パート勤務で様々な人間関係を見てきた身としては、実感できる部分が多くありました。 ただ、論考の中には難しい箇所も多く、何度か読み返す必要がありました。しかし、その手間をかけるだけの価値のある内容だと感じます。人生の後半戦を歩む今、自分たちの文化や本質について考え直すことの大切さを改めて認識させてくれました。 同じような問題意識をお持ちの方にはぜひお勧めしたい作品です。