『汝、星のごとく』の続編ということで、かなり慎重に手に取った一冊です。前作が本屋大賞を受賞していたので期待値は高かったのですが、正直なところ「続編は蛇足になるのでは」という懸念もありました。しかし、その心配は完全に払拭されました。 著者・仲俣暁生は、登場人物たちの内面に真摯に向き合い、前作では語りきれなかった愛の形を丁寧に描き出しています。特に編集者たちの物語は、フリーランス稼業を営む自分にとって非常に心に響きました。才能を輝かせるために向き合う覚悟、人間関係の微妙さ、そうした複雑さをこれほど優しく、かつ強い表現力で描いた作品は珍しい。 各章のタイトルが「春に翔ぶ」「星を編む」「波を渡る」と続くことで、人生という航海における異なる視点が提示されていく構成も見事です。読み終わった後、静かな余韻が長く残ります。これは確実に傑作です。迷わずお勧めできる一冊。