星を編む

星を編む

凪良 ゆう

出版社:講談社 出版年月日:2023/11/08

講談社 | 2023/11/08

4.00
本棚登録:6人

みんなの感想

『汝、星のごとく』の続編となる本作を手にしたのは、前作で描かれた登場人物たちのその後が気になったからです。同じ著者の作品ということで、ある程度の期待値を持ちながら読み進めました。 結論から言えば、その期待は十分に満たされました。前作で語りきれなかった複数の人物の内面を丁寧に描くことで、愛とは何かをより多角的に問い直しているように感じます。特に編集者たちの物語では、才能ある者を支える側の苦悩と喜びが素直に伝わってきました。 ただ、正直に申し上げますと、連作だけあって前作の記憶が不十分だと理解しづらい部分もありました。数年前に読んだきりなので、登場人物の背景や関係性を完全に思い出せずにいたのです。続編を読む際には、ある程度の準備が必要かもしれません。 それでも全体としては、大人が読むに値する作品です。人生経験を積んだ今だからこそ響く表現や心情描写が随所にあり、年を重ねた者として考えさせられることが多くありました。著者の成熟した筆致により、再び良い読書時間を過ごすことができました。

『汝、星のごとく』の続編ということで、かなり慎重に手に取った一冊です。前作が本屋大賞を受賞していたので期待値は高かったのですが、正直なところ「続編は蛇足になるのでは」という懸念もありました。しかし、その心配は完全に払拭されました。 著者・仲俣暁生は、登場人物たちの内面に真摯に向き合い、前作では語りきれなかった愛の形を丁寧に描き出しています。特に編集者たちの物語は、フリーランス稼業を営む自分にとって非常に心に響きました。才能を輝かせるために向き合う覚悟、人間関係の微妙さ、そうした複雑さをこれほど優しく、かつ強い表現力で描いた作品は珍しい。 各章のタイトルが「春に翔ぶ」「星を編む」「波を渡る」と続くことで、人生という航海における異なる視点が提示されていく構成も見事です。読み終わった後、静かな余韻が長く残ります。これは確実に傑作です。迷わずお勧めできる一冊。