記号論理学の入門書として手に取ったのですが、正直なところ期待とのギャップを感じました。 人文思想系の専門書を読み慣れている身としては、本書の説明方法や構成に物足りなさを感じます。記号論理学という複雑なテーマを扱うには、もっと段階的かつ丁寧なアプローチが必要だと思うのですが、後半に進むにつれて急に難度が上がり、読者を置き去りにしている印象を受けました。 また、理論的な正確さは評価できるものの、なぜこの学問が必要なのか、哲学や言語学とどう関連しているのかといった文脈的な説明が不足しているように感じます。単なる技術的な解説に終始しており、人文知識として統合する手がかりが欠けているのです。 評判の高い本という触れ込みでしたが、本書については疑問が残ります。初学者向けにしては難しすぎ、専門家向けにしては物足りない。万人向けを目指すなら、もう一層の工夫が必要だったのではないでしょうか。