裕子の本棚
ナポレオン狂

ナポレオン狂

阿刀田 高 講談社 1982年7月1日

文庫本だから気軽に持ち歩いて、ちょっとした時間に読めるのがいいですね。この本は短編集なんですが、どのお話も本当に面白くて、一気に読んでしまいました。 ナポレオンの生まれ変わりだと信じている男のお話、それからコレクターの人のお話、どれもくすっと笑えるような不思議な世界観です。人間の変な執着とか、こだわりとかを上手に描いているなぁって感じました。 直木賞受賞作だけあって、文章がしっかりしていて、短い中にもきちんと物語が詰まっているんです。作者の切れ味のいいユーモアというか、人間観察の深さが感じられます。 パート仕事で疲れた後に読むと、心がふっと軽くなるような感じがします。どの短編も違う味わいで、飽きずに楽しめるのがいいですね。同じ著者の他の作品も読んでみたくなりました。気軽に楽しめる大人の短編集として、おすすめです。