はるとの本棚
先生と罪

先生と罪

くわがきあゆ 宝島社 2026年1月8日

30万部突破という実績に惹かれて手に取った作品です。「どんでん返しの新女王」というキャッチコピーに期待を込めて読み始めたのですが、正直なところ、期待値とのギャップがありました。 学園サスペンスとしての基本的な構成はしっかりしており、謎解きの骨組みは無難にまとめられています。教師視点で不穏な事象が積み重なっていく序盤は、確かに引き込まれる面もありました。ただ、物語が進むにつれて、伏線の張り方や登場人物たちの行動原理に、些か牽強付会な部分が目立つようになります。 特にエンジニアの職業柄、論理的整合性を重視してしまう私には、いくつか「ここはちょっと無理があるのでは」と感じる箇所がありました。終盤のどんでん返しも、確かに意外性はありますが、それまでの伏線と結末を照らし合わせると、納得度は中程度といったところです。 決して悪い作品ではありませんが、大賞受賞作として期待するレベルからは一歩劣る印象。丁寧に構築された学園ミステリーを求める読者なら価値があるかもしれません。ただし、高度などんでん返しを期待する方は、その期待値を調整してから読むことをお勧めします。