感想
最近話題の大河原邦男氏の著作ということで、手に取ってみました。ガンダムのメカデザインで知られる人物の思考プロセスやモノづくりの哲学が垣間見えるかと期待していたのですが、正直なところ予想以上には刺激を受けませんでした。 造形物の写真は豊富で、分解可能なパーツの工夫や細部へのこだわりは確かに興味深い。教員という職業柄、生徒にモノづくりの大切さを伝える際の参考になるかもしれません。ただ、デザイン制作の「秘密」を期待していた身としては、具体的な創作プロセスや困難をどう乗り越えたかといった深い洞察が不足していた印象です。 ビジュアルとしての価値は十分ありますし、大河原氏の遊び心は随所に感じられます。しかし、技術書としての情報量やエッセイとしての思想的深さのどちらかに振り切れていたら、より面白かったのではないでしょうか。同じジャンルに興味がある方には価値のある一冊ですが、特に新たな発見を求める人にはやや物足りないかもしれません。