『容疑者Xの献身』をようやく読み終わりました。話題になってから何年も経っていますが、今更ながら手に取った次第です。 教員という職業柄、主人公の石神が高校の数学教師という設定に思わず親近感を持ってしまいました。天才でありながら不遇な環境に置かれた人物の葛藤と、愛する者のための究極の選択——その緊迫感が見事に描き出されています。 何より東野圭吾の構成の巧みさに脱帽です。数学的な論理と人間の感情を巧妙に絡ませながら、物語が進行していく。湯川学との対比構図も効果的で、最後まで手が止まりませんでした。 強いて言えば、結末に若干の物足りなさを感じるところもあります。ただそれでも、このような傑作が長く愛読されている理由がよく分かりました。直木賞受賞も納得です。 ガリレオシリーズの入門編としても、ミステリー好きのあらゆる読者にもお勧めできる傑作だと思います。もっと早く読んでおくべきだった。