感想
「センス」というテーマに惹かれて手に取った一冊でしたが、期待と現実にギャップを感じてしまいました。 著者の指摘する「ハッとさせる力」という概念は興味深く、日常生活の中で確かに体験している現象を言語化しようとする試みは評価できます。ただ、具体的な方法論や実践的なアプローチが十分に深掘りされていないように感じました。 特に気になったのは、「センスは才能ではなく身につけられる」という前置きの割に、どのようなプロセスを通じてそれを習得していくのかが曖昧という点です。事例紹介は豊富ですが、それらから汎用的な法則を導き出す過程が弱く、読み終わった後も「では自分はどうしたらいいのか」という問いに対する明確な答えが得られませんでした。 主婦という立場で、限られた時間の中で読書をしている身としては、より実用的で構造化された内容を望んでいました。思想的な深さと実践的な価値のバランスが取れていない印象です。悪くない本ですが、同等の価値なら他の選択肢もあるかなと思わせる仕上がりでした。