感想
最近、書店でよく見かけるという小林正観さんの本ということで、手に取ってみました。人生論というのも、この歳になると改めて考えてみるのもいいかなと思ったからです。 ですが、読み進めていて残念ながらあまり心に響くものがありませんでした。「うれしい」「楽しい」といった肯定的な感情を大事にしましょうという主張は分かるのですが、その具体的な根拠や深い考察が乏しいように感じます。単なる精神論に終始しているのではないか、という気がしてなりません。 八十年も生きていますと、人生というのは思い通りにいかないことばかりです。そうした現実的な苦労や葛藤を踏まえたうえで、どうにかして前に進もうとする。その過程が大切なのではないでしょうか。この本はそうした人生の重みや深さに向き合うというより、気持ちの持ちようだけで何とかしようという風に読めました。 確かに話題の本かもしれませんが、私としては、もう少し人生経験に根ざした、噛み応えのある人生論を求めていたように思います。