綿矢りさの最新作『生のみ生のままで 下』を読み終えた。話題になっていた作品だったので、つい手に取ってしまった。 二人の女性の切実な恋愛を描いた物語なのだが、実に誠実で深い。年を重ねた身からすると、最初はどうなることかと戸惑いもあったが、読み進むうちに引き込まれた。彼女たちが世間の常識を脱ぎ捨て、自分たちの気持ちに正直に向き合う姿勢が、却って清潔に映る。 人生経験が長い分、人間関係の複雑さや葛藤が身に沁みる。特に後半、二人が試練に直面し、切実な決断を迫られる場面は実に緊迫していて、ページをめくる手が止まらなかった。 綿矢さんの文章は相変わらず美しく鮮烈だ。表現力が見事で、感情の揺らぎや身体の感覚まで丁寧に紡ぎ出されている。現代の若い世代が抱える自由と葛藤について、これほど真摯に向き合った物語を久しぶりに読んだ。 時代は確かに変わっている。そのことを改めて感じさせてくれる、素晴らしい一冊だった。