本屋大賞の話題作ということで手にとった『海賊とよばれた男』の下巻ですが、実に面白い。終盤に向けて物語の緊張感がますます高まり、一気読みしてしまいました。 戦後の日本が国際的な石油カルテルに立ち向かっていく史実を背景に、主人公・鐡造のような大きな志を持つ人物がいたという事実に感動を覚えます。私たちの世代が経験した高度成長期の日本は、このような奇跡のような英雄たちによって支えられていたのだと改めて認識させられました。 下巻は敵国との対峙、乾坤一擲の大勝負という、どうしても目が離せない場面が連続しますね。著者の筆力もあって、実在の人物とは思えないほどドラマティックに描かれています。人生経験豊かな年配の読者だからこそ、この物語に込められた日本人としての誇りや家族への想いの深さが胸に響くのかもしれません。 やはり「読まずに語るな」という帯の言葉通り、この作品は読むべき価値があります。