ゆーきの本棚
本日は、お日柄もよく

本日は、お日柄もよく

原田マハ 徳間書店 2013年6月1日

最近、書店で話題になっているこの本を手に取ってみました。文庫本ということもあり、気軽に読める長さが定年後の読書には丁度いい。 OLが伝説のスピーチライターに弟子入りするという設定で、一見すると若い世代向けかと思いましたが、読んでみると違いました。言葉の力、人を動かすスピーチの本質について、私たちの世代にも響く深い考えが散りばめられているのです。 何より良かったのは、キャラクターの成長が丁寧に描かれていることです。政界という大きな舞台に身を置いた主人公が、試行錯誤しながら自分の言葉を磨いていく様子に、思わず応援したくなってしまいました。著者の観察眼が鮮やかで、人間関係の機微も上手く表現されている。 仕事を通じて自分を高める喜びや、言葉との付き合い方について考えさせられる。定年後のいまだからこそ、人生経験と重ねて読むことができる素敵な作品だと思います。娯楽としてもしっかり面白く、文学的な満足感もあります。