最近の話題の本だと聞いて手に取った一冊です。QuizKnockの志賀玲太さんという方のエッセイということで、正直なところ若い人の本かと思っていたのですが、これが実に興味深かった。 本書は、ファッションへの憧れとコンプレックスを軸に、29年間の人生が綴られています。自分も若い頃は世間体や親の期待に縛られて、やりたいことをやれない時期がありましたから、その苦しさがよく伝わってくる。著者が「当たり前のことができないことは苦しい」と書いている言葉には、心が揺さぶられました。 特に良かったのは、noteに掲載された短編的なエッセイが集められているため、一編ずつ読めて疲れない。80歳の身には、このくらいの分量が心地よい。作曲家Neruとの対談も、異分野の人物との視点の違いが新鮮で、現代の若い世代の考え方を理解する助けになりました。 ファッションという普遍的なテーマを通じて、自分らしく生きることの大切さが伝わってくる良い作品。年配の読者にもぜひ読んでほしい一冊です。