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成瀬は天下を取りにいく

成瀬は天下を取りにいく

宮島 未奈 新潮社 2025年6月25日

本屋大賞受賞作ということで手にとった一冊ですが、予想以上に引き込まれました。成瀬あかりという主人公のぶっ飛んだ行動力と純粋さが、これほどまでに魅力的だとは。 41歳になると、つい現実的な思考に陥りがちですが、この小説を読んでいると当時の若々しさを思い出させてくれます。西武大津店の閉店という限られた時間のなかで、ローカル番組やお笑いなど、何度も目標を変えながらも突き進もうとする主人公の姿勢。その一見チグハグな人生観こそが、逆に「生きる」ことの本質を問いかけているようで深いんです。 地元にこだわり、周囲を巻き込み、時には無謀にも見える選択をしていく。ビジネス書では学べない、人間らしい成長ストーリーとして読めました。仕事で疲れた心がリセットされるような読後感も良かった。話題作の理由が納得できる、本当に素晴らしい青春小説です。