感想
仕事帰りの疲れた時間帯に、ふらっと立ち寄った喫茶店での出会いから始まる物語。その設定の雰囲気の良さに期待を込めて手に取ったのですが、正直なところ物足りなさが残りました。 編み物という地味だけど魅力的な題材を軸に、キャラクターたちの内面や人間関係を丁寧に描こうとする意図は伝わります。ただ、第一巻の時点では、物語がまだ始まったばかりといった感じで、読みどころが見える前に終わってしまった印象です。編み物を通じた人間模様というコンセプトは好きなのに、もう少し踏み込んだ展開があれば……と感じてしまいました。 教員という職業柄、生徒たちの成長を見守る過程を知っているので、物語が徐々に深まっていく可能性は理解できます。ただ、一巻としての完成度や満足度という観点では、もう一歩何かが足りない。気軽に読める作品だからこそ、その中でもっと心をつかまれたかったというのが正直な感想です。続巻も読むかどうか、少し迷っています。