年金制度改正を控えた今、実務的な知識が必要な時期だと感じて手に取りました。繰り上げ・繰り下げの損得計算や、在職老齢年金の仕組みなど、具体的な疑問への回答が明確に示されているのは評価できます。 ただし、正直なところ物足りなさが残ります。新書という制約もあるのでしょうが、複雑な年金制度を簡潔に説明する一方で、個別ケースへの対応が十分ではないように感じました。「自分の場合はどうなるのか」という細かい検討には、やはり専門家への相談が必要になる印象です。 管理職として給与制度や福利厚生に関わる身としては、より踏み込んだ分析を期待していました。特にキャリア形成と年金受給額の関係性など、現役世代の人生設計に寄り添った視点があるとよかったのではないでしょうか。 入門知識としては十分ですが、改訂で加筆されたという2026年新制度についても、もう少し詳しく掘り下げてほしかった部分があります。基礎知識を得るには良い一冊ですが、その先を深掘りするには別の情報源が必要だと感じます。