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名探偵の顔が良い2

名探偵の顔が良い2

森 晶麿 新潮社 2026年2月28日

このところ世間で話題になっているこの作品、ようやく読むことができました。なるほど、こういった趣向の小説があるのですね。 72年生きてきた老人にとって、「推し活」という概念自体が新鮮で、その視点から物語が展開されるのは興味深い。若い世代がどのような感覚で好きな人物に心を寄せるのか、その心理描写が巧みです。一方、本編の肝である謎解きの部分もしっかりしていて、単なる応援小説ではなく、ちゃんとしたミステリとして成立している点が素晴らしい。 探偵・天草茅夢のキャラクターも立っていますし、何より随所に登場する料理の描写が実に味わい深い。年を重ねた私でも、思わず「食べてみたい」と思わせる力があります。これは著者の技量でしょう。 文庫版という手軽さもあり、つい続きが気になって一気読みしてしまいました。話題作というのは伊達ではないということでしょうか。若い世代からシニア世代まで、幅広く楽しめる一冊だと思います。次巻も注視しておきたいですね。